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2025.07.17がん学会に出席しました📝

こんにちは!
愛玩動物看護師の桂田です。

梅雨明け間近ではありますが、最近は雨でも暑い日が続いていますね☀️😵💦
気温・室温もそうですが、湿度が高いほど熱中症リスクは上がりますので、皆様お気をつけてお過ごしください😌

 

さて、そんな暑さの中ですが、私は先日
日本獣医がん学会に出席してきました!
当学会では、動物看護職が国家資格化したことに伴い今回初めて愛玩動物看護師に向けた講演・企画があり、患者動物とそのご家族への関わり方や担う業務・分野の専門性を改めて感じました。

「がん学会」ということで、内容はわんちゃん、ねこちゃんが患う「がん」についてです🐶🐱
がんは主に高齢期に多い疾患ではありますが、発症時期、がんの種類や悪性度、発生する場所や治療方法、予後など…
その子によって様々です。
思わず身構えてしまう「がん」について、飼い主様にも知ってもらいたい内容をご紹介できればと思います☺️

まず、がんと診断された=死へのカウントダウン
と思われることが多いかと思います。
生き物には必ず死が訪れますから間違いではありませんが、がんの種類や治療の程度によっては必ずしも先が全くないことはありません。
今回は、わんちゃん、ねこちゃんで比較的発生の多い「がんの種類3つ」と「がん治療」についてお話しします☝️

 

🐶わんちゃん、🐱ねこちゃんに多いがん

①乳腺腫瘍
乳腺腫瘍は、乳腺に発生する腫瘍です。多くは乳腺のしこりとして気付かれます。
🐶わんちゃんでは良性(転移をせず、あまり悪さをしない)腫瘍のことも多いですが、
🐱ねこちゃんでは悪性(転移しやすく、様々な悪さをする)腫瘍、いわゆる「がん」であることがほとんどです。
ですが、しこりが1cm未満の小さいうちに切除手術をすることができれば、その後長く生きられる子もいます。

②リンパ腫
リンパ球と呼ばれる免疫細胞ががん化したものです。
🐶わんちゃんでは全身のリンパ節が腫れたり、皮膚や消化管など様々な場所に発生します。
🐱ねこちゃんでも様々な場所に発生しますが、特に鼻の中や消化管(胃や腸)に多くみられます。

③肥満細胞種
肥満細胞と呼ばれる免疫細胞ががん化したものです。主に皮膚に発生します。
肥満”体型”とは全く関係はありません。
🐶わんちゃんではしこりの見た目は様々で、肉眼的に見ただけでは別の良性腫瘍と判別がつかないこともあります。
また、痒みや腫れを伴うこともあります。
🐱ねこちゃんではしこりが小さいことが多く、ただのイボとして見過ごされてしまうこともあります。
また、ねこちゃんでは1歳齢以下でも発生することがあります。

 

💉がん治療とは💊
まず先に、「腫瘍」とは、細胞が異常に増えて塊になったものを言います。
「がん」とはそれら腫瘍の中でも悪性腫瘍のことを指します。
つまり、治療介入をしなければ早期に亡くなってしまう可能性が高いものです。
ですが、一概に「治療」といっても様々なものがあり、大まかに3つに分けられます。
腫瘍の完全な根絶を目的とする「根治治療」、
QOL(生活の質)向上を目的とし、痛みの緩和や機能改善を重視する「緩和治療」、
腫瘍そのものへの治療は行わず、症状緩和を目的とする「対症治療」です。

根治治療は手術による摘出や化学療法(抗がん剤)、放射線治療等、積極的な治療であり、完治・寛解が見込めます。
腫瘍細胞を多く叩ける分、副作用の心配があったりと、治療を選択するか迷う方も多くいらっしゃいます。
緩和治療は主に根治治療とセットで行われます。
根治治療はせずとも何かしてあげたい、という場合、多くは対症治療を行います。
対症治療も「がん治療」の一つですから、選択肢の一つとして考えていただけるとよいと思います😌

 

もしも我が子が「がん」と診断されたら、またはそんなご経験があったとしたら…
私であったら頭が真っ白になってしまうと思います。
ですが、絶望と悲しみの中でも、その子と過ごした今までの思い出、共有した時間は変わらず輝いているはずです。
飼い主様とその子の「これから」に後悔の残らないよう、愛玩動物看護師として一緒に考えていく助けになることができれば幸いです。