犬と猫の下痢・血便が続くとき|相模原市でできる内視鏡検査
「愛犬の下痢がなかなか治らない」
「愛猫の便に血が混じっている」
「下痢と嘔吐を何度もくり返している」
このような消化器症状でお悩みのオーナー様は少なくありません。
一時的におさまることも多いものですが、長引く症状は原因を検査で突き止めてあげることが大切です。
今回は、犬や猫の慢性的な下痢や血便で注意すべき症状をはじめ、考えられる病気や診察・検査の流れを分かりやすく解説します。

■目次
1.犬や猫の慢性下痢・血便で注意したい症状
2.下痢・血便が続くときに考えられる病気
3.診断の流れと検査
4.内視鏡検査でわかること|粘膜の観察と組織生検が診断の手がかりに
5.まとめ|長引く下痢や血便は検査で原因を確認
犬や猫の慢性下痢・血便で注意したい症状
日常の中で、犬や猫が軟便や下痢をすることは珍しくありません。しかし、中には早急に動物病院を受診したいケースもあります。
以下のような症状・サインが見られる場合は、動物病院へご相談ください。
・数日以上、または数週間にわたって下痢が続いている
・便に鮮血が混じったり、全体的に黒っぽいタール状の便が出たりする
・下痢だけでなく、嘔吐も頻繁にくり返している
・食欲が落ちてきており、大好きなフードも残しがちである
・食べているにもかかわらず、明らかに体重が減ってきた
・なんとなく元気がない様子で、毛づやも悪くなっている
・健康診断などの血液検査で、総タンパクやアルブミンの数値が低いと指摘された
血液検査の「タンパク」や「アルブミン」の項目が低い場合は、腸から栄養が漏れ出ている可能性があります。
ただの消化不良と見過ごさず、早い段階での動物病院での検査が、健康を守ることにつながります。
下痢・血便が続くときに考えられる病気
下痢や血便が慢性化している場合、消化管の粘膜に何らかの持続的なトラブルが起きていると考えられます。
代表的な疾患として以下のものが挙げられます。
<慢性腸症(食事反応性・抗菌薬反応性など)>
3週間以上にわたって下痢や嘔吐などの消化器症状が続く状態の総称です。
食事内容を変更することで改善する「食事反応性腸症」や、特定の抗菌薬によって症状がおさまる「抗菌薬反応性腸症」、あるいは免疫の異常が関与していると疑われる腸炎などに分類されます。
<炎症性腸疾患(IBD)>
腸の粘膜に慢性的な炎症が起こる原因不明の病気です。免疫バランスの崩れなどが関係しているとされており、持続的な下痢や嘔吐、それに伴う体重減少などを引き起こします。
治療には食事療法のほかに、免疫抑制剤やステロイドといったお薬が必要になるケースが一般的です。
<消化管リンパ腫>
胃や腸などの消化管に、血液の癌であるリンパ腫が発生する病気(腫瘍性疾患)です。IBDと非常によく似た症状を示すため、正確な鑑別診断が不可欠とされています。
特に猫や高齢の犬で多く見られ、注意深く見守りたい疾患の一つです。
<その他の消化管腫瘍>
リンパ腫以外にも、腺癌や平滑筋肉腫といった悪性腫瘍、ポリープなどの良性腫瘍が消化管にできることがあります。腫瘍によって消化管の通りが悪くなったり、粘膜から出血したりすることで、血便や体重減少、食欲低下、嘔吐が引き起こされます。
<蛋白漏出性腸症>
何らかの原因によって、血液中のタンパク質(主にアルブミン)が腸の粘膜から過剰に漏れ出てしまう状態です。
進行すると、体に栄養を行き渡らせることができなくなるだけでなく、深刻なむくみや腹水、胸水などが溜まる原因にもなりかねません。
さらに、寄生虫の感染や細菌性腸炎、食物アレルギー、膵炎といった病気も考えられます。
このような疾患の中には、内視鏡検査などを行って初めて確定診断ができるものも多くあります。
診断の流れと検査
動物病院を受診したからといって、いきなり内視鏡検査を行うわけではありません。犬や猫の体に過度な負担をかけないよう、まずは負担の少ない診察から進め、治療への反応を見ながら段階的に専門的な検査を検討していきます。
問診・身体検査:下痢や血便がいつから始まったか、便の色や回数、嘔吐・食欲の有無などを確認します。脱水やお腹の痛み、全身状態もあわせて見ます。
便検査:便の中に寄生虫や原虫がいないか、腸内細菌のバランスが崩れていないかを確認します。下痢の原因を探るための基本的な検査です。
血液検査:炎症や貧血の有無、肝臓・腎臓など内臓の状態を確認します。タンパクやアルブミンの低下、膵炎の可能性も調べます。
画像検査:レントゲンや超音波検査で、異物の誤飲や腸の腫れ、しこりがないかを確認します。お腹に水がたまっていないかも見ます。
治療反応の確認:検査結果に合わせて、食事療法やお薬による治療を行います。改善が乏しい場合や症状が長引く場合は、内視鏡検査などを検討します。
「体質なのかな」「今のフードが合っているのかな」といったご相談でも構いません。精密な検査が必要かどうかも含めて確認できますので、気になる便の変化があればお気軽にご相談ください。
内視鏡検査でわかること|粘膜の観察と組織生検が診断の手がかりに
内視鏡検査とは、口や肛門から細くしなやかなカメラ(内視鏡)を挿入し、食道や胃、十二指腸、大腸といった消化管の内部を直接モニターで確認する検査です。
これにより、レントゲンや超音波検査では捉えきれない粘膜の細かな変化を確認できます。
具体的には、粘膜全体の赤みや激しいただれ、じわじわとした出血、表面の腫れやびらん、ポリープ、腫瘍を思わせる構造の変化などが一目でわかるのです。
さらに、内視鏡はカメラの先端から特殊な器具を出し、病変が疑われる粘膜の一部をほんの少しだけ採取する「組織生検」が行えます。
集めた組織を専門の病理検査機関へ提出して顕微鏡で詳しく調べると、単なる炎症なのか、それとも腫瘍なのかといったより正確な診断に近づけます。
<木下動物病院の内視鏡検査>
当院では、根本的な原因の特定と治療のため、内視鏡をはじめとする各種検査に力を入れています。
猫や小型犬から大型犬まで、体の大きさに合わせた内視鏡機器を使用し、より正確で負担のない検査を心がけています。
また、麻酔を用いる検査ですが、一頭一頭の状態を確認したうえで、検査の必要性やリスクについても丁寧にご説明し、オーナー様にご納得いただいてから進めてまいります。
相模原エリアで、血便や下痢が続いている、治療してもなかなか改善しないなど、詳しい検査をご希望の方は、ぜひ一度ご相談ください。
当院の内視鏡についてはこちら
誤飲・誤食の内視鏡症例についてはこちらで解説しています
手術に伴う麻酔についてはこちらで解説しています
まとめ|長引く下痢や血便は検査で原因を確認
犬や猫の長引く下痢や血便は、体力の消耗や体重減少、生活の質(QOL)の低下につながることがあります。
下痢止めや治療を続けても改善しない場合は、検査で原因を確認し、症状に合った治療を考えることが大切です。
当院は、長引くお腹のトラブルやセカンドオピニオンのご相談にも丁寧に対応しています。治療だけでなく、日々の食事やケアまでをトータルにサポートするホームドクターとして、皆様の大切な家族を支えてまいります。
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