猫の慢性腎臓病とは?初期症状・検査・食事管理までやさしく解説
「最近、水を飲む量が増えた気がする」「おしっこの量が多いかもしれない」「少しずつ体重が落ちているように見える」――
そんな小さな変化に気づいても、加齢のせいかなと様子を見てしまうことは少なくありません。
猫の慢性腎臓病は、ゆっくり進行する病気です。高齢の猫に多く発症し、初期は見た目の変化が乏しいため、気づいたときには病気が進行していることもあります。
今回は、猫の慢性腎臓病とはどのような病気か、早めに気づきたい初期症状、動物病院で行う検査、診断後の治療や食事管理について、オーナー様にわかりやすくお伝えします。

■目次
1.猫の慢性腎臓病とは
2.早めに気づきたい症状と受診の目安
3.動物病院ではどんな検査をするのか
4.診断後の治療と家庭でできるケア
5.まとめ
猫の慢性腎臓病とは
腎臓には、体の中で出た老廃物を尿として外に出すはたらきがあります。あわせて、水分やミネラルのバランスを整え、体の状態を一定に保つ役割も担っています。こうした腎臓のはたらきが、長い時間をかけて少しずつ低下していく状態が慢性腎臓病です。
慢性腎臓病は、ある日突然起こるというより、何か月、何年とかけて進むことが多い病気です。
一度低下した腎機能を元の状態まで戻すのは難しく、治療では「完治」を目指すというより、進行をゆるやかにしながら、体の負担を減らしていくことが中心になります。早く見つけて管理を始めるほど、穏やかな生活を支えやすくなります。
また、慢性腎臓病は高齢の猫で見られやすく、初期にははっきりした症状が出にくいことも特徴です。そのため、元気そうだと思っていた猫でも、健康診断や尿検査をきっかけに病気が見つかることもあります。
早めに気づきたい症状と受診の目安
初期の慢性腎臓病でまず目につきやすいのは、水を飲む量の増加や尿量の増加(多飲多尿)です。
腎臓のはたらきが低下すると、尿をしっかり濃くする力が弱くなり、薄い尿がたくさん出やすくなります。そのぶん体は水分を補おうとするため、飲水量も増えやすくなります。
他にもこのような変化は見逃したくないサインです。
・体重が少しずつ減る
・食欲にむらが出る
・毛づやが落ちる
・なんとなく寝ている時間が増える
どれも一つだけでは気づきにくい変化ですが、いくつか重なって続くときは、受診を考えるきっかけにしてよいでしょう。
病気が進行すると、食欲低下、吐き気や嘔吐、元気の低下、脱水、口臭の変化などが見られることがあります。
こうした症状は、体内に老廃物がたまりやすくなることと関係しています。
特に、嘔吐や食欲がなくぐったりしているといった様子がある場合は、早めの受診が大切です。
動物病院ではどんな検査をするのか
猫の慢性腎臓病が疑われるときは、1つの検査だけで判断するのではなく、いくつかの検査を組み合わせて、腎臓の状態を総合的に確認します。
血液検査: クレアチニンや尿素窒素、SDMAなどを確認し、腎機能の低下を見ます。
尿検査: 尿をしっかり濃くできているか、蛋白尿が出ていないかを確認します。
血圧測定: 高血圧がないかを確認し、腎臓や目への負担を見ます。
超音波検査: 腎臓の大きさや形、内部の変化を確認します。
慢性腎臓病の評価には、IRIS(国際腎臓病研究グループ) による基準も広く参考にされています。
IRISのステージは主にクレアチニンやSDMAなどの検査値をもとに決めますが、それだけでなく尿たんぱくや血圧もあわせて評価します。そのうえで、猫の慢性腎臓病の病気の進み具合をステージ1から4に分け、どんな治療や管理が必要かを考えていきます。
診断後の治療と家庭でできるケア
慢性腎臓病と診断されたあとに大切なのは、今の状態に合わせて無理のない管理を続けることです。
治療内容はステージや症状によって異なり、食事療法、水分管理、内服、必要に応じた点滴などを組み合わせます。
つらさを減らしながら、できるだけ穏やかな毎日を支えることを目的としています。
◆食事管理
腎臓に配慮した療法食が勧められることがあります。ただし、急に切り替えると食べなくなる猫もいるため、今までの食事に少しずつ混ぜたり、食べやすい形を探したりしながら進めることが大切です。
食事療法は我慢ではなく、腎臓への負担を軽くするための支えと考えると、取り組みやすくなるでしょう。
◆水分管理
飲水量を増やしたいときは、猫の好みに合わせた工夫がポイントです。
新鮮な水を複数の場所に置く、器の形や置き場所を見直す、ウェットフードを活用するなど、水分をとりやすい環境づくりが役立ちます。
◆変化の記録
ご家庭では、食欲、飲水量、尿量、体重を記録しておくと、わずかな変化にも気づきやすくなります。
毎日きっちりでなくても、気づいたことをメモしておくだけで十分役立ちます。通院時にその記録があると、治療の見直しにもつながりやすくなります。
また、通院自体が負担になりやすい猫も少なくありません。当院は「親切でハートのある、誰もが安心してかかることのできる動物病院」としてJAHAの認定病院となっています。ストレスなく通っていただけるよう体制を整えてお待ちしております。
まとめ
猫の慢性腎臓病は、初期には気づきにくい一方で、早めに見つけて適切な管理を始めることがとても大切な病気です。とくにシニアのネコちゃんでは注意が必要なため、日頃の様子をよく見守っていただくことが大切です。
慢性腎臓病と診断されたあとも、その子らしくできるだけ快適に過ごせるよう、生活の質(QOL)を保ちながらサポートしていきます。
「水を飲む量が増えた」「尿の量が多い」「疲れやすそう」「年齢のせいかなと思う変化がある」など、気になる様子がありましたら、お早めに当院までご相談ください。
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